令和4~5年の作品
令和4年秋冬~5年春の作品
湯呑もて賜はる御神酒初詣 寝てばかりゐる老犬と冬ごもり
売り込みの声の嗄れるる暮の市 ガス栓を確かめて寝る冬の夜 駅で飲む冬のコーヒー冬の朝
客迎ふ餅搗きの粉はたきつつ 大風に負けぬ売り声達磨市
香煙を四方にちらし初観音 掻くほども無く初雪の解けにけり
煩悩をはらう響きや除夜の鐘 初硯墨の匂ひの部屋となる 春隣三三五五の詣で人
週いちのデイサービスのたのしさは 鋤き返す土の輝き春隣
ゆるりと読む友の句集や小正月 寒卵胸にかかへて妹の来る 厳冬の特養花壇すみれ咲き 特養入所の老の笑まうも いずこより鳥の運びき国道に 電柱そいし月見草の黄
何気ない会話の中から感じ取り あなたに寄り添い生活共にす 秋空のホールに響く組曲と 笑顔飛び交う競争心