俳句・短歌 令和2年の作品

薫藤園ご利用者・ご家族、職員の俳句・短歌作品です。(順不同・敬称略)

令和2年の作品

令和2年春の作品

アルバムに昭和のにほひ麦の秋
涼しさや洗ひ晒しを身にまとひ
母の血を受けて豊かな髪洗ふ

柴崎 加代子

花菖蒲友と語りて愛でにけり
もつれつつ庭に舞ひ来る夏の蝶
夏萩の咲き初む小枝揺れてをり

道給 㐂仙

母と行く小さき旅や春惜しむ
口笛の近づいてくる草朧
対岸と競ひ合ふかに行々子

高鳥 洋子

ふるさとの橋のたもとの桐の花
濯ぎ物干す花みかん匂ふなか
金色の包み新茶の届きけり

今成 公江

職退きて日和まかせの田植かな
田植機のはや音まみれ泥まみれ
あやめ咲く庭に休日初まりぬ

長瀬 三男

かがり火の水面に映えて鵜飼船
摘みてすぐ作る蕗味噌香りけり
デイサービス楽しく過ごし春夕焼

長澤 利江

吟行や薄暑の森に風の道
耳悪しき吾に鳴くてふほととぎす
手話習ふ午後の眠気に冷茶もて

野村 節子

大空に輝く家紋鯉幟
校庭に引きし白線風薫る
板前の声きびきびと初鰹

蛭間 節子

今の時節面会やむなし特養の
 皆様さそい園庭に咲くポピーの花見

コロナウイルス避けたいと
 特養の家族との面会なく心さみしも

種蒔きてひと月過ぎし百日草
 二葉の中の本葉見え出す

野村 節子

新幕あけし年号令和に二年なる
 希望の未来へ親子ともども

コロナ感染終息願う全国民
 手洗いマスク必須の生活

日頃より勉強会にいそしみて
 介護は職員心ひとつに

大塚 洋子